世界にたった2つの 『二重内陸国』

世界の変わった国・場所

二重内陸国とは?

世界にはたくさんの内陸国があります。内陸国というのは、周りが陸の国境のみに囲まれている国のことで、簡単に言うと海に接していない国のことです。

代表例では、スイスがそうです。

内陸国は世界に48ヶ国あります。その中でもさらに、国境を接するすべての国が内陸国である国二重内陸国と言います。つまり、海に出るために2ヶ国の国境を越えなければいけないということです。周りが海に囲まれた日本では考えられないことです。

そんな二重内陸国は、世界中にリヒテンシュタインウズベキスタン2ヶ国しかありません。

ヨーロッパのミニ国家 リヒテンシュタイン

リヒテンシュタインは、スイスとオーストラリアに接しているミニ国家です。国のサイズは日本の小豆島と同じくらいで、世界で6番目に小さい国です。公爵が治める立憲君主国家で、人口もわずか3万5000人ほどです。

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ミニ国家が「国家」として体制を維持できる理由として様々な基盤を持っている場合が多いです。(例えば、バチカン市国は宗教的基盤を持つ国です。)一方、リヒテンシュタインは貿易や国際金融を基盤に持つ国で別名、「タックスヘイブンの国」とも言われています。

法人税率が低く、本社の籍だけ置いているペーパーカンパニーが多いため、人口よりも法人数が多いとも言われています。これら法人税が税収の40%にも及ぶようです。国民の平均年収は1000万円を越え、所得税や相続税、贈与税といった直接税もかからない超お金持ち国家です。

タックスヘイブン・・・日本語で「租税回避地」「定課税地域」

課税が完全に免除されたり、著しく軽減されたりしている国や地域のことをいう。主に税制上の優遇措置を地域外の企業に対して戦略的に設けている国や地域を指す。

最近世間を騒がせたパナマ文書は、世界中の政治家や富裕層がタックスヘイブンをどのように利用したかを暴いた文書である。

István AsztalosによるPixabayからの画像

タックスヘイブンと併せて、リヒテンシュタインは世界でも有数の切手大国です。国の収入源の1割を切手が占めると言われています。リヒテンシュタインの切手は、“世界で最も美しい切手“と称賛されるほどで首都ファドゥーツには切手博物館があり、国内屈指の観光スポットとなっています。

KING OF 内陸国 ウズベキスタン

ウズベキスタンは、中央アジアに位置する共和制国家です。カザフスタン、トルクメニスタン、アフガニスタン、タジキスタン、キルギスの5つの内陸国に接するまさに内陸国の頂点に立つ国です。

国土の大部分は、大陸性気候で降水量が少なく、非常に乾燥しています。そのため、砂漠と険しい山々で占められています。海から遠すぎるため、海へと繋がる河川がない内陸流域という環境が形成されています。

Joëlle MoreauによるPixabayからの画像

一見すると非常に苛酷で人が住むのが難しい地域にも見えますが、ウズベキスタンは中央アジアを代表する観光国家です。

かつてはアジアとヨーロッパを結ぶシルクロードで栄えた古都の面影を感じれる文化や建物が今も強く残っています。首都タシュケント、古都サマルカンド、オアシス都市ブハラなど観光地も豊富で治安もレベル1とかなり安定しています。

Tomoyuki MizutaによるPixabayからの画像

リヒテンシュタインと異なり、まだまだ発展途上のウズベキスタンは経済発展において二重内陸国ならではの問題を抱えています。それはずばり輸出の困難さです。

ウズベキスタンは石油、天然ガス、石炭、ウランなどの豊富な地下資源を持っています。しかし、それを輸出するには周辺諸国を通過しなければなりません。しかも最低2ヵ国越えないと海に出れないため、隣国の政治状況に左右され高い輸送費も負担しなければなりません。

地下資源類は輸送負担がとりわけ大きいため、ウズベキスタンを含め内陸国は今後、高付加価値路線に方向転換していく必要がああります。実際、スイスは時計などの精密機械や化学薬品などの高付加価値路線で成功しています。地理的に不利な内陸国が今後成長していくためには、技術発展が必要なのですね。

picknicker54によるPixabayからの画像

学習二重内陸国から見る地理的おもしろさ

●海に接していない国を内陸国という

●内陸国の多くが発展途上国でアジア、アフリカに多い

●アジアの内陸国の多くは地下資源が豊富であるが、輸出するのに隣国の政治状況に左右され、輸送費も高くつくため「輸出の困難さ」抱えている

●ヨーロッパのスイス、リヒテンシュタイン、オーストラリアなどの内陸国は高付加価値路線で成功し、発展している

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