2021年4月11日放送の人気テレビ番組「世界遺産」をご覧になられましたか?
絶海の孤島にそびえたつ海上ピラミッド本当に素敵でした。
そこで、今回は世界一大きい海食柱をご紹介いたしたいと思います。
名をボールズ・ピラミッドと言います。
ピラミッドと表現していますが、この断崖絶壁の地形を海食柱(かいしょくちゅう)と言います。
海食柱は、海によって岩盤が侵食された急峻な斜面を持つ柱のような形状の地形です。
代表的な例として、全国に点在するローソク岩は海食柱と言えますね。
世界最大の海食柱であるボールズ・ピラミッドは、オーストラリア東部のロード・ハウ諸島にあります。
海上からの高さはなんと562mもあります。
ボールズ・ピラミッドがあるロード・ハウ諸島は、シドニーから飛行機で2時間でたどり着くことができます。
しかし、意外と簡単に辿り着くことができない島です。
というのも世界一高いフライト料金ともいわれており、片道たった2時間のフライトに往復で1000オーストリアドルが掛かります。
日本ーオーストリア間の往復チケットが買えるほどです。
また、島内はキャンプが禁止されており、数少ないホテルに泊まる必要があります。
世界自然遺産にも認定されており、環境保護の観点から1日約400人しか滞在できないルールがあります。
金銭的にハードルが高く、人数制限もあるため、ハイシーズンでも混雑することはない島です。
そんなロードハウ島を象徴するものが険しい山並みとサンゴ礁です。
特にサンゴ礁は南極から一番近く、世界最南端のサンゴ礁と呼ばれています。
ロード・ハウ諸島は赤道近くから南下する暖流と南極付近近回る寒流が交わる場所です。
そのため熱帯と寒帯の海中生物が混在する非常に特殊な環境下にあります。
ボールズ・ピラミッドはロードハウ島の沖合20kmの地点に位置します。
大昔、ロード・ハウ島とボールズ・ピラミッドは火山の噴火で誕生した楯状火山でした。
700万年という長い年月の間に浸食に晒され、島自体がなくなってしまいました。
最後に残ったのが、火山の岩頸に位置するボールズ・ピラミッドとロード・ハウ島だけでした。
その岩肌は、溶岩の堅い部分が岩脈として、もろい部分が削れてなだらかな形状として残っています。
ボールズピラミッドは自然保護の観点から特別な許可を取らないと上陸できません。
しかし、クライミングに憧れるものも多くいるようです。
学習ロード・ハウ島から地理学のおもしろさ
●オセアニアの島々は大部分がサンゴ礁島か火山島
●経度180度以西で赤道以北をミクロネシア(小さな島々)
経度180度以西で赤道以南をメラネシア(黒い島々)
経度180度以東はポリネシア(多い島々) に分類される
これらの国々は、比較的新しく、観光収入や援助に依存する国が多い
●オーストラリア北東部の海沿いにはグレートバリアリーフ(大堡礁)と呼ばれる世界最大のサンゴ礁が広がっている。
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