世界一大きい島であるグリーンランドで、世界一大きい有人島でもあります。
次いで、ニューギニア島、ボルネオ島、マダガスカル島、バフィン島、スマトラ島、本州と続きます。どの島にも人々が暮らしており、大きい島ほど人が暮らしているのが世の常と言えます。
では、誰も暮らしていない無人島の中で世界一大きいものはどこにあるのでしょう?
その島は、カナダの北部、北極諸島の一つデヴォン島です。
デヴォン島の面積は約55,000㎢で、世界で27番目に大きい島です。
日本の島との面積比では、本州の4分の1、北海道の3分の2ほどのサイズです。
年間の平均気温はマイナス17度と低く、降水量が少ないため島の大半は砂漠のように乾燥してます。
そのため、大型動物はほとんど存在せず、わずかなジャコウワシと小鳥、小動物のみが生息しています。
そんな不毛の大地であるデヴォン島は、人間も動物も簡単には足を踏みいれることができず、無人島であるのも当然だと言えます。
しかし、この島は科学者や研究者を魅了して止まない特別な場所なのです。
というのもデヴォン島は 地球上で最も火星に近い島 であるからです。
デヴォン島の地面は一年のほとんどを通して凍り付いていますが、真夏の50日程度は地面が顔を出します。
この期間に、NASAのホートン火星プロジェクトの研究者たちが毎年この島を訪れ、将来の火星探査の方法を探っています。
極圏での昼夜サイクルや、物資補給にかかる制限、通信制限など、長期の宇宙飛行で乗組員が直面するであろう様々な試練をここで訓練しています。
ちなみ、プロジェクトの名前の由来は、ホートン・インパクト・クレーターと呼ばれる世界最北のクレーターです。
2,300万年ほど前に推定幅1kmの小惑星または彗星が衝突してできた直径20kmに及ぶクレーターです。
寒冷で乾燥した気候のため、クレーターは浸食による影響を受けず、凍結したため、地球上で最も良好な状態で保存されている衝突構造の一つともなっています。
近年、NASAはデヴォン島で無人火星探査車両ローバーの走行テストを行っております。
火星とデヴォン島の風景があまりにも似すぎているため、NASAが発表している火星の写真の多くが実はデヴォン島ではないかと疑惑が浮上しているほどになっています。
学習デヴォン島から学ぶ地理学のおもしろさ
●デヴォン島は世界一大きい無人島で、火星研究の最前線でもある
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