皆さん、世界一大きい砂漠はどこあると思いますか?
砂漠と言えば、見渡す限りの灼熱の砂の台地を想像しますよね。
真っ先に思い浮かぶのは、アフリカ北部の大部分を占めるサハラ砂漠!
南北1,700km,東西5,600kmに渡り、面積は約1,000万㎢に及ぶまさに世界最大級の砂漠です。
「サハラ」はアラビア語で「砂漠」を意味するため、
日本語に訳すと「サハラ砂漠」は「砂漠砂漠」になりますね笑
サハラ砂漠は″世界最大級“の砂漠に違いないですが、”世界最大“の砂漠ではありません。
世界最大の砂漠は「南極」にあります。
そもそも砂漠の定義は
・年間降水量が250mm未満の地域
・降水量よりも蒸発量が多い地域
のことを言います。
そのため、地形や気温といった要素で砂漠となるわけではありません。
上記の条件を満たしていれば、砂でなくとも、暑くなくとも砂漠と定義されます。
では、当初の南極の話に戻ります。
南極は、世界で最も平均気温が低く、乾燥した場所です。
その年間降水量は、海岸部でさえ200mm、内陸部ではさらに少ない50mmです。
つまり、南極に砂漠があるのではなく、南極大陸まるごと巨大な砂漠なのです。
その面積,1400万㎢で世界一を誇ります。
ここである疑問が生じます。
「雪も降水量に含まれるから、南極って降水量が多いはずでは?」
実は、南極大陸周辺の海ではたくさんの雪が降りますが、内陸では全くといっていいほど雪が降りません。
雪の元となる雲や水蒸気が内陸部にはほとんどないからです。
なので、寒ければ寒いほど雪が降るというわけではないのです。
でも、吹雪に晒されている映像を見たことがありますよね。
これって降水じゃないの?と思いますが、これも違います。
実際、南極は風が非常に強く吹雪に覆われる日が多いのは事実です。
しかし、南極の吹雪は
「地表に積もった雪が風で飛び跳ねながら移動する」
現象のため、降水にはなりません。
ちなみに、日本語で言う”猛吹雪“を南極では”ブリザード“と言います。
先ほど、私は南極大陸そのものが砂漠であると申し上げました。
それは間違いではないのですが、南極の中にも特に砂漠らしい地域があるのも事実です。
氷に覆われた大陸である南極にも、雪1つ積もっていないドライバレーという地域があります。
正式にはマクマードドライバレーという地域です。大昔、氷河に削られてできた谷で、
氷河が運んできて奇妙な形に風化した石などを見ることができます。
火星かとも思えるような非常に奇妙な場所で、世界中の研究者を魅了して止まないようです。
学習世界一大きい砂漠”南極大陸”から見る地理学
●南極大陸は氷河に覆われている
氷河には、地表面を広く覆う大陸氷河(氷床)と山頂付近で発達する山岳氷河がある
大規模な大陸氷河は、南極大陸とグリーンランドにしか分布していない
●南極大陸そのものが砂漠と申し上げたが、ケッペンの気候区分においては
乾燥帯(B)の砂漠気候(BW)ではない(注意)。
寒帯(E)の氷雪気候(EF)である。
寒帯・・・最暖月の平均気温が10℃未満
氷雪気候・・・最暖月の平均気温が0℃未満
●氷雪気候の地域は典型的なアネクメーネ(非居住地域)
⇔人が住む地域をエクメーネという(陸地の約90%がエクメーネ)
●南極は降水(雪)量は少ないが、ブリザードは多発するエリアである。
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