海外旅行をする際にその国が安全かどうか確認することは必須事項です。
世界で最も平和な国で暮らす我々からすると、世界最悪の治安って
果たしてどんなものなのか想像できないですよね。
世界中に危険な都市はたくさんあり、その年や条件によって世界一は変わります。
代表的な都市としては
南アフリカのヨハネスブルク、メキシコのアカプルコ、ベネズエラのカラカス
などキリがありませんが、今回は特に有名な都市をあげさせていただきます。
そこは ホンジュラス の サン・ペドロ・スーラ です。
中米に位置するホンジュラスってどんな国でしょ?
リアル「北斗の拳」の国とも呼ばれており、世界194ヶ国の地域を対象に
「人口10万人あたありの殺人件数」ランキングを集計したところ、衝撃の結果が出ました。
日本は0.4件で世界で193位の順位で、平和神話は顕在でした。
一方、ホンジュラスは103.9件で、2位のベネズエラの57.6件から大きく
引き離してぶっちぎりの1位で、国自体が非常に危険です。
サン・ペドロ・スーラは中南米ホンジュラス第2の都市です。
人口は約75万人で、首都デグシカルパに代わり、ホンジュラスの経済の中心となっています。
デグシカルパの「人口10万にあたりの殺人件数」が99.7件と市として世界第5位に対して
サン・ペドロ・スーラは159件とこちらもぶっちぎり1位です。
麻薬の経由地でもあり、殺人・強盗・誘拐・組織間抗争が横行しています。
ホンジュラスを含む中米で危険な国が多い理由は何なのでしょう?
北米と南米に囲まれた位置的問題が根深いのです。
①解決しない貧困問題
ホンジュラスは中南米の最貧国の1つで、国民の約6割が貧困状態にあります。
中米の国々が貧困状態となった背景には植民地化によるモノカルチャー経済があります。
16世紀はスペインの植民地、独立した19世紀からはアメリカの企業による大規模プランテーションが行わてきました。
バナナやコーヒー豆の一大産地とし現在も多く生産されていますが、
劣悪な環境で低賃金・長時感労働を強要されている状況となっています。
先進国の言いなりとなり政治的にも強く干渉され、工業や他の産業が発達することなく、
何重苦も背負わされているため、なかなか貧困から抜け出すことができません。
②麻薬とギャングの横暴
もう一つ中米を悩ませる問題は、中米が麻薬密輸の経路となっていることです。
南米で生産された麻薬が主な消費者であるアメリカへ密輸されています。
ちょうど中間に位置する中米は、多くのギャングやマフィアが幅を利かせ
麻薬取引のトラブルが多発するだけでなく、組織間抗争も頻繁に起こっています。
ホンジュラスには凶悪な若者ギャング集団「マラス」がはびこっています。
主に人々を恐喝しお金を奪い取ることで資金調達をしており
小学校を襲ったり、性犯罪を起こしたりと非常に危険です。
そして、これらを取り締まることができないほどに汚職が横行していることが問題なのです。
警察官や裁判官に賄賂を渡し犯罪者が逮捕されない状態を作り、弁護士も雇うという徹底ぶりです。
加えて、人殺しが起こっても一般人も報復を恐れて通報しないので
サン・ペドロ・スーラにでは殺人事件の97%が未解決となっています。
アメリカに入ってくるコカインの約80%はサンペドロスーラを経由しており
誰も取り締まることができない。まさにギャングに支配された街ですね。
学習ホンジュラスから見る地理学のおもしろさ
●中南米(ラテンアメリカ)はかつてインディオが居住していた
16世紀にスペインとポルトガル(ブラジルのみ)の植民地になった
●「人種のるつぼ」とも言われ、混血人種が多い
メスチソ(白人とインディオ)、ムラート(白人と黒人)
●欧米市場向けの大土地所有制のプランテーション経営が行われている
輸出用作物であるバナナやコーヒー豆といった特定の農産物に依存する
モノカルチャー経済の国が多いため、自給作物があまりなく貧困率が高い。
●麻薬カルテルの抗争が激しく、汚職も横行しており危険である
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