双子都市とは地理的に隣り合った2つの都市のことで、双方の都市の成長により一体的な都市圏を形成しています。
もともとアメリカ中西部の大都市ミネアポリスとセント・ポールが双子都市の由来となっています。
日本では、岡山市と倉敷市、北九州市と下関市などが双子都市として有名です。
そんな隣接した双子都市を首都同士が形成している珍しい場所があります。
その国は奇しくも両方とも「コンゴ」の名の付いた国です。
コンゴ民主共和国とコンゴ共和国です。
コンゴ民主共和国の首都であるキンシャサと、コンゴ共和国の首都ブラザビルは、アフリカ第2の大河コンゴ川を隔てて隣接しています。
橋は繋がっていませんが、小型ボートで10分程で到着します。
二つの都市圏の人口は驚異の約1,500万人。
キンシャサはアフリカを代表するメガシティの一つで人口は驚異の約1,325万人。
アフリカ大陸では、カイロとラゴスに次ぐ第3位の規模です。
アフリカ第2の面積を誇る国土の西端にあるマレボ湖の東側に位置します。
コンゴ川は大変川幅が広く、大きいところでは10kmを越えます。
そのため大型船の通行が可能で、キンシャサは内陸に位置しながらも屈指の港湾都市の側面を持ちます。
マレボ湖の下流にはリビングストン滝があるため、船舶の航行ができません。
そのため、コンゴ盆地各地で集めた物資を船舶で運び、終点のキンシャサで鉄道に乗り換え大西洋岸まで運ばれます。
その結節点であるキンシャサは、あらゆるモノが出回っています。
マルシエではワニ、ヘビ、サル、レイヨウなど日本では見ることがないような動物(食材)を見ることができます。
ミュージシャンも多く暮らす街としても知られており、ナイトクラブでは本場のリンガラのライブを聞くことができます。
なんでも集まるキンシャサは実に混沌としており、アフリカで最も危険な都市の一つと言われています。
実際、日本の外務省の安全情報では、「不要不急の渡航中止」とされているので、旅行する場所としてはあきらか向いてないですね。
一方のブラザビルは183万人と十分多いのですが、キンシャサに比べるとかなり少ないです。
人がまばらで、街がさっぱりと小奇麗、そしてなにより治安が良いです。
あくまでキンシャサ比較のため、外務省の安全情報では「十分注意」となっています。
ブラザビルは悪く言うと、たいした見どころがありません。
キンシャサ同様水運の中継貿易の拠点して発展しており、フェリー便の連絡が頻繁にあります。
街を眺めると中国系の企業の建物が多くみられるようです。
アフリカ有数の産油国であり、かつて社会主義を導入していたコンゴ共和国は、中国がベッタリ入り込んでいる印象を受けます。
キンシャサとブラザビルは隣接する首都同士ではありますが、両者の雰囲気は全く異なりますが、アフリカ中の物資が集中・分散する重要な拠点であることがわかりました。
学習2つのコンゴから見る地理学のおもしろさ
●コンゴ民主共和国は、アフリカ第2位の面積を誇る
首都のキンシャサはアフリカ第三の経済規模を誇るメガシティ
●アフリカ第2の大河コンゴ川での水運が物流の柱である
●アフリカ諸国の経済の階級区分図を見ると、北部と南部は比較的豊かだが、中南アフリカは発展が遅れている
●双子都市とは、地理的に近接した2つの都市で、双方の都市の成長により一体的な都市圏を形成するに至ったもののことを指す
語源となった都市は、アメリカ中西部のミネアポリスとセントポール
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