【世界一大きい中州】

「中州」という用語をご存知ですか？

中州は川の中において、上流から供給された土砂などが堆積し、島のように水面にできた地形です。

川の中に孤立した島のことで、代表例として福岡の中洲・大阪の中之島などがあります。

中州のある部分は川幅が狭くなるため、橋を架けやすく交通の要所となります。

実際、中洲や中之島には立派な市街地が形成されています。

世界的に見ても、ニューヨークのマンハッタン島やパリのシテ島も中州にあり人間活動と非常に密接した地形と言えます。

これまでご紹介した例は比較的小さい中州ですが、世界には数kmの大きさもする中州もあります。

今回は世界一大きな中州をご紹介いたいと思います。

世界一大きな中州はブラジルに位置します。

ブラジル・トカンティンス州のアラグアイア川にあるバナナル島です。

その面積は約2万㎢で、四国(1.8万㎢）を上回ります。

国よりも大きい中州とも言え、スロベニアとほぼ同じ大きさです。

世界で２番目に大きい河川の島でもあります（１位は次回ご紹介します）

バナナル島はラムサール条約にも登録されており、自然と文化の保護区でもあります。

国立公園に指定されている島の北３分の１は、エコツーリズムの人気の目的地です。

南部の3分の２は、先住民の領土でこの島に住んでいるのは先住民だけです。

こんなに大きな中州（島）ですが、島に渡る橋は一つもありません。

基本ボートでの移動のみになりますが、乾季は川が低くなるため、車で島に行くこともできます。