日本には現在、文化遺産が19、自然遺産が4の合計23もの世界遺産があります。
世界遺産に登録されると、圧倒的に知名度が上がり集客効果も跳ね上がります。
そのため、各国世界遺産登録の競争も激化しています。
そんな人々を魅了して止まない世界遺産の中で、最も入場料が高い場所はどこなのでしょう?
そこは、ヨルダンのペトラ遺跡です。
そもそもヨルダンはどこに位置するかというと、シリア、イスラエル、サウジアラビア、イラクというスリリングな国々に囲まれた中東の国です。
その中でも比較的治安が安定した国で、観光が国の大きな収入源となっています。
ペトラ遺跡は中東を代表する世界文化遺産の大遺跡群です。
世界的映画の「インディージョーンズ」のロケ地としても知られています。
ペトラ遺跡の入場料は1dayで50JD(ヨルダンディナール)で、日本円にすると約8000円になります。
私なんて2000円でも高いなと感じるので、入場料に1万円近く払うってのは凄いですね。
しかし、1万円を払ってでも見たい景色がここにはあります。
ペトラ遺跡は非常に広大で、丸一日費やしても足りないほどです。
ペトラ遺跡を入るとすぐに見えるのが、「シーク」と呼ばれる岩の裂け目にできた通路です。
約1kmもの長さがあり、ラクダに乗りながら向かうこともできます。
延々と続く巨大な岩の裂け目を進み抜けた先にそびえ立つ巨大な宝仏殿「エル・ハズネ」は圧巻の一言です。
王家の墓として使用されており、なんと紀元前に作られたもののようです。
いくら広大とはいえ、ここまで入場料が高いのはどうしてでしょう?
実は、ヨルダン人の入場料はたった1JDで、この50JDは外国人料金なのです。
その格差は50倍もあり、とんでもないぼったくりですね。
ヨルダンは中東国家にあるにもかからず、産油国ではありません。
特に大きな産業もないヨルダンは、国際支援への依存度も非常に高いです。
そのため、数少ない稼ぎ頭である観光に頼るしかないという現状にあるのです。
学習ヨルダンから見る地理学のおもしろさ
●ヨルダンは東西南北をイラク、サウジアラビア、シリア、イスラエル、パレスチナといった紛争多発地域に囲まれている
●ヨルダン国内の治安は安定しており、中東地域の平和を保つバランサーとして重要な役割を果たしている。
●ヨルダンは天然資源に恵まれていないため、観光産業に頼らざるを得ない現状にある
●周辺地域の戦争や内戦から逃れてきた難民を多数受け入れ、様々なサービスを提要している。そのため国際支援への依存度も高い。
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