今回も川繋がりで、世界で1番川幅の広い川をご紹介したいと思います。
ずばり、南米大陸のアルゼンチンとウルグアイの国境を流れるラプラタ川です。
その川幅なんと 約275km もあります!
東京~名古屋の直線距離が263kmなので、日本に住んでいる我々からすると想像がつきませんね。
実際川幅が最大となる部分は河口部で、三角江(エスチュアリー)となっています。
三角州は聞いたことあるけど、三角江はあまり聞きなれませんね。
違いを簡単にご紹介いたします。
三角州 (別名 デルタ)
河川によって運ばれた土砂が河口に堆積することできた三角形の島
平野地形といい、陸からの作用でできる
三角州は、肥沃な沖積土のため水田や牧草地に適している。
三角江 (別名 エスチュアリー)
河口付近の土地に海水が侵入し、土地が沈降して形成された三角形(ラッパ状)の入り江
海岸地形といい、海からの作用でできる
三角江は、水深が深く後背地が平野なので大きな貿易港や大都市が発達しやすい
ラプラタ川も例に漏れず、河口部に非常に大きな2つの湾港都市を形成しています。
ウルグアイの首都モンテビデオとアルゼンチンの首都ブエノスアイレスです。
特にブエノスアイレスは南米屈指の大都市として知られています。
ラプラタ川は河口の幅こそ世界最大で大都市も形成されていますが、
川の水深が浅いため内陸部まで大型船が侵入できません。
また、水力発電にも活かせず経済的価値はあまりないとされています。
ただし、それを補うように、ラプラタ川流域にはバンパと呼ばれる肥沃な草原地帯が広がっており、世界有数の牧畜地域となっています。
学習ラプラタ川から見る地理学的おもしろさ
●ラプラタ川は三角江(エスチュアリー)を形成している
三角江は、氷期の海面低下時に浸食された谷が沈水したもの(沈水海岸)
また、水深が深いため、良港ができやすい
●ラプラタ川の流域に広がる草原地帯をバンパと呼ぶ
水はけが悪く、肥沃な土壌があり、世界有数の牧畜地帯となっている
コメント