私の趣味の一つが日本の端っこ巡りで、特に岬(灯台も)巡りが大好きです。
いつか国内のオススメの岬もご紹介していきたいなと考えています。
今回は、世界最南端の都市をご紹介したいと思います。
まず、定義づけですが、一般的に日本では市町村区分に下記のような基準があります。
区分 | 人口 |
市 | 5万人以上 |
町 | 8千人以上 |
村 | 8千人以下 |
では、本題の世界最南端の都市はどこかと言うと
南アメリカのチリにあるプエルトウィリアムズになります。
ただし、このあたりには世界最南端と名乗る街が3つほどあります。
その理由も含め、簡単にですが順に紹介していきたいと思います。
まず最初に紹介するチリのプンタ・アレナスは「人口を10万人以上有する都市」として世界最南端です。
プンタ・アレナスは、南アメリカ大陸とフエゴ島を挟むマゼラン海峡沿いに位置する湾港都市です。
パナマ運河が完成されるまでは、大西洋と太平洋を結ぶ重要な航路であったマゼラン海峡を航行する外洋船の寄港地として繁栄していました。
現在は、パタゴニアへの玄関口であると同時にフライトによる南極ツアーの観光拠点としても知られています。
プンタ・アレナス以南の都市は大陸ではなく島に位置するため、そういう意味では「南アメリカ大陸最南端の都市」とも言えます。
次に紹介するのは、一般的に「世界最南端の都市」として知られているウシュアイアです。
ウシュアイアはアルゼンチンに属し、フエゴ島の南端に位置する人口約7万人ほどの都市です。
プンタ・アレナスが大陸最南端の都市なのに対して、ウシュアイアはそれより南のフエゴ島に位置するため、緯度から見ても世界最南端の都市で間違いありませんね。
ウシュアイアは南米でも有数の観光拠点として知られています。
フエゴ島国立公園、最果てのホーン岬、そしてクルーズ船による南極ツアーの起点としても知られています。
ここからあのドレーク海峡を越えていくんですね。
フエゴ島の南にはナバリノ島、オステ島を挟んでビーグル水道があり、ウシュアイアの対岸にもプエルトウィリアムズという小さな町が実はあります。
ウシュアイアの対岸にあるナバリノ島にはプエルトウィリアムズという村小さな町があります。
人口は1800人ほどと少なく、都市という扱いにならず、せいぜい町という扱いでした。
そのため、世界的には「世界最南端の都市」というとウシュアイアが一般的で、地理的にウシュアイアより南にも関わらず、スポットライトがあまりあたりませんでした。
ところが、2019年にチリ当局の決定で、プエルトウィリアムズが市に指定され、名実共に「世界最南端の都市」に昇格することとなりました。
人口2500人以下の町が市に昇格なんておかしい話ですが、それほど「世界最南端」という観光キャッチコピーは魅力的なのでしょうね。
最後に、地理的位置関係でいうと本当に世界最南端の集落であるプエルトトロをご紹介いたします。
プエルトトロは現在3家族と軍属や警官と20人ほどが暮らす小さな集落です。
プエルトウィリアムズからの陸路はなく、船でのみ行くことができます。
しかし、このビーグル水道は荒れると風速40メートルにもなり、欠航が非常に多いようです。
食料品店もなく、電気は自家発電、電話は軍の衛星電話が村にひとつだけという僻地っぷりです。
しかし、それでもこれほどロマンに溢れる場所はありません。
アフリカから始まった人類の移動の最終到達地点であるここは、まさに人類の果てと言えるからです。
ということで、ここまでの位置関係をまとめるとこんな感じになりました。
学習世界最南端の都市から見る地理学的おもしろさ
●世界最南端の町は一般的には「ウシュアイア」として認知されている
しかし、2019年にプエルトウィリアムズが市に昇格し、世界最南端の都市へ
●この付近の都市は全て南極観光の拠点である。
●各国の地理的特徴を簡単に紹介
公用語 両国共にスペイン語
チリは、世界最大の銅鉱の産出国である。また、OECD加盟国である。
アルゼンチンは、国民の大部分がヨーロッパ系白人。
温帯気候に属し、肥沃な黒色土に恵まれたバンパで、企業的農業(小麦)や企業的牧畜が盛んに行われている
●今回紹介したチリ南西部・アルゼンチン南部エリアはほぼ全て西岸海洋性気候(Cfb)(ヨーロッパと同じ気候)
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