【日本の岬】北海道の四端

端っこ

『岬』王国、日本。日本の至る所に存在する岬の中でも、東西南北の最突端に位置する岬は特別です。「日本全体の端っこ」は度々名を聞くこともありますが、なかなか訪れることはできません。今回は少しスケールを小さくし、島単位の端っこを見ていきたいと思います。併せて観光情報も載せていますので、ご参照ください。

最北端:宗谷岬

まず最初にご紹介するのは、日本で最も有名な岬といっても過言ではありません。北海道稚内市にある「宗谷岬(そうやみさき)」は、北海道の最北端であると同時に、日本本土における最北端の地です。ライダーや旅行者の多くにとって死ぬまでに訪れてみたい観光地の1つかと思います。

宗谷岬は北緯45度31分22秒、稚内市街から北東へ約30kmに位置し、天気の良い日にはサハリンを望むことができます。岬の先端には「日本最北端の地の碑」と探検家の間宮林蔵の立像があります。周囲には、宿泊施設やお土産店、飲食店が立ち並び、観光シーズンには賑わいを見せます。

日本の最北端に位置する宗谷地域は、利尻礼文サロベツ国立公園等の雄大な自然景観と宗谷岬を中心として年間約300万人の観光入込みがあり、道内外問わず非常に人気の高い観光地となっています。

ついで旅

宗谷岬のすぐそばの宗谷丘陵の中にある「白い貝殻の道」は近年人気を博しています。名前の通り、無数の貝殻が道に敷き詰められています。これらの貝殻は、稚内の名産物であるホタテ貝で、生産工場の廃棄物となった貝殻を洗浄して道に撒かれた人工的な絶景なのです。

海産物が非常に豊かな稚内市ですが、実は宗谷岬周辺には「宗谷黒牛」と呼ばれる「日本最北のブランド牛」があります。牧草地でのんびりと放牧され、脂に甘みがあるのが特徴で、生産数も少ないことから「幻の牛肉」と言われています。

最東端:納沙布岬

北海道根室市にある「納沙布岬(のさっぷみさき)」は、宗谷岬と同じく、北海道の最東端にして、日本本土における最東端の地です。目と鼻の先にはロシアと領土問題を抱える北方領土が見えます。

地名の由来は、アイヌ語の「ノッ・サム(岬の傍ら)」から来ています。根室市街から30分ほどで訪れることができるため比較的アクセスも容易で、先端部には灯台や「四島のかけはし」と呼ばれるオブジェの他、北方領土関連の施設が多く設けられており、多くの観光客が訪れます。

納沙布岬からは北方領土の歯舞群島が間近に望め、運がよければクジラやラッコを見ることもできます。冬にはロシア・アムール川からの流氷が多く流れ込んできました。そのため、納沙布岬は「流氷岬」という異名を持っています(温暖化の影響で最近は流れてこない年が増えている)。

ついで旅

根室半島には、チャシと呼ばれるアイヌの遺跡が集中している場所です。約30のチャシが確認されており、総称して「根室半島チャシ跡群」と呼ばれています。なかでも、ヲンネモトチャシ跡は日本100名城にも選ばれています。

photo by wikipedia

花咲ガニに代表される根室は海鮮物の宝庫ですが、その一方で「エスカロッップ」と呼ばれる聞きなれないカタカナ語の名物料理も存在します。「エスカロッピー二」と呼ばれるイタリア風料理が由来で、とんかつをご飯の上にのせてドミグラスソースをかけたものです。「どりあん」と呼ばれるお店が発祥と言われています。

最南端:白神岬

森進一さんの歌でもお馴染みの「襟裳岬(えりもみさき)」が北海道の最南端かと思いきや、あまり聞きなれない「白神岬(しらかみみさき)」が最南端の岬になります。場所は、函館市から約1時間30分ほど南西に下った松前町にあり、名前の通り松前漬けの発祥の町です。

渡島半島から枝分かれした松前半島の南端に位置するこの岬は、本州最北端の大間崎より南に位置し、青森県のある津軽半島最北端から約20kmの距離にあります。すぐ近くを北海道新幹線が通過する青函トンネルが通っています。

白神岬は日本有数の渡り鳥の中継地で、春はシベリア方面へ、秋は越冬のため本州へ年間約100万羽が津軽海峡を渡ります。時期によっては約300種以上の野鳥を見ることができるため、鳥好きにはたまらない聖地となっています。

ついで旅

白神岬のある松前町は「北海道で唯一の城下町」として名を馳せています。町の中心部にある松前城は、日本で最後に築城された和式の城です。北海道新幹線の開通により恩恵を受けた町の1つです。

「松前」の名前の通り、松前藩の郷土料理が発祥である松前漬け。ニシンの卵である数の子にスルメと昆布をあわせ、塩で漬け込んだものが松前漬けの発祥とされています。本場である松前町ではその圧倒的な素材力をもとに、大きな数の子入りなど様々な付加価値が付けられた松前漬けが販売されています。

最西端:尾花岬

北海道の四端、もとい、日本の十六端の中で到達までの最高難易度を誇るのがせたな町にある「尾花岬(おばなみさき)」です。というか、この岬は訪れることができません

北海道道740号線が岬のすぐそばを通ってはいるのですが、全長3395mのトンネルが岬を通過しており、車を停めて近づくということは一切できません。そのため、この岬は5キロ南に下った太田神社の拝殿もしくは定燈篭から遠望することで到達したこととするのが多いです。

photo by せたな観光協会

しかし、無謀にも挑む者がわずかながらいるのも事実です。その到達ブログをいくつか見てみると、トンネル北側からの方が距離は近いが、断崖絶壁すぎて到達不可能(おそらく未踏)南側からも一般人はやはり不可能、しかし、熟練のクライマーなら登れるであろう(落ちたら即死の)断崖をいくつか越えて辿り着いた例はあるようです。どのみち一般人は決して挑戦するべきではない岬です。

ついで旅

せたな町を代表する観光スポットが「三本杉岩」です。高さ30m前後の巨岩が3つ、海に綺麗に立ち並んでおり、上層部には岩松や寒冷地特有の植物が緑を添え、独特の景観を保っています。

せたな町といえばウニ!浜の母さん食事処で食べれるうに丼はこれでもかというほどウニがのっており、大変美味です。

まとめ

以上、北海道の四端を見てきました。宗谷岬と納沙布岬は日本本土における最突端の地であることもあって非常に人気の高い岬となっていますが、一方で白神岬と尾花岬は知名度は極端に落ち、尾花岬に至っては訪れることもできません。

これまで、九州、四国、本州、そして、北海道と見てきましたが、四端すべてが有名という事例はどの回でもありませんでした。どれも2ヶ所は有名、2か所は無名といった具合にバランスが取れているのが興味深かったです。次回は、海外編をご紹介出来たらと思っています。お付き合いいただきありがとうございました。

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