【日本の岬】本州の四端

端っこ

『岬』王国、日本。日本の至る所に存在する岬の中でも、東西南北の最突端に位置する岬は特別です。「日本全体の端っこ」は度々名を聞くこともありますが、なかなか訪れることはできません。今回は少しスケールを小さくし、島単位の端っこを見ていきたいと思います。併せて観光情報も載せていますので、ご参照ください。

最北端 大間崎

最初にご紹介するのは日本でもトップクラスに有名な岬の「大間崎(おおまざき)」です。津軽海峡をはさんで、北海道までの距離はわずか17.5kmと近いにも関わらず、これでもかというほど果て感を感じることができる場所です。

そう感じるのは、ここが下北半島に位置するためでしょうか。下北半島は青森市からでもアクセスに非常に時間のかかる、まさに日本屈指の秘境地域です。加えて、恐山に代表される神秘的な雰囲気が人を寄せ付けず、最果て感を醸し出すのに一役買っているように思えます。ちなみに、青森市から大間崎に至っては車で3時間以上はかかります。

そんな大間崎は岬としても有名ですが、それ以上に「マグロの1本釣り」で注目を集めています。特に、豊洲市場で開かれる新春恒例の大間マグロの初競りは、毎年注目を集めテレビでも頻繁に報道されています。

ついで旅

下北半島で恐山に次いで注目を集めてるのが「仏ヶ浦」と呼ばれる景勝地です。下北半島の西海岸に位置し最悪のアクセス環境にもかかわらず、補って余りあるほどの訪れる価値があります。白く美しい岩肌と紺碧の海原、崖を埋め尽くす深い緑の森、日本とは思えないような絶景がここにはあります。

大間はマグロだけでなく、ホタテやうに、あわびといった貝類も豊富です。中でも一休食堂の「あわびラーメン」は、キレのあるスッキリとしたスープと歯ごたえ抜群のあわびのコラボが絶品で、隠れた名物となっています。

photo by まるごと青森

最東端:魹ヶ崎

本州の四端の中でも特に到達難易度が高いのが、岩手県宮古市にある「魹ヶ崎(とどがさき)」です(漢字が難しいためトドヶ崎と表現されることが多い)。その理由はシンプルで、岬まで道路が延びていないからです。そのため、最寄りの姉吉キャンプ場に車を停めて、3.7km(片道約1時間)の山道をを進む必要があります。

プチ登山の上でたどり着ける岬とあって訪れる人は極端に少なく、そもそも知名度もないため、まさしく秘境です。果てしなく続く太平洋と無骨な断崖絶壁の海岸線、そこに鎮座する灯台が創り出す景観は、圧巻の一言です。魹ヶ崎灯台は東北で一番高い灯台で、高さ34mを誇ります。

そんな魅力溢れるトドヶ崎ですが、実は熊が出没する可能性があります。遭遇する可能性はかなり低いですが、熊鈴やホイッスルなどを持って訪れることをお勧めいたします。登山道も整備されているわけでないので、簡単には出会えない絶景なのです。

ついで旅

トドヶ崎のある宮古市のお隣の山田町には「東北唯一の無人島海水浴場」であるオランダ島があります。山田湾の真ん中に浮かぶ周囲約900の小島で、海水浴シーズンには連絡船が運航され、エメラルドグリーンの海を堪能することができます。

photo by 山田町観光協会

トドヶ崎のある宮古市の新ご当地グルメが「瓶ドン」です。元々この地域でとれたてのウニを牛乳瓶に詰めて保存していたことから着想を得て生み出されました。その鮮やかな色彩はSNS全盛期の今の時代にぴったりな一品と言えます。

最南端:潮岬

関西在住の方なら頻繁に名前を聞くであろう和歌山県の「潮岬(しおのみさき)」は本州最南端の岬です。眼下に広がる壮大な太平洋とどこまでも続く青空を眺めていると、改めて地球が丸いことを実感できます。隣接する潮岬観光タワーは海抜100mの地点から360度見渡すことができるため、必ず訪れていただきたいです。

潮岬は地理学的にも重要な場所です。地図を見ていただくとすぐわかりますが、この岬は、沿岸流によって運搬・堆積した砂州によって形成された陸繋島なのです。これほどまでにはっきりと美しい陸繋島は、国内では函館と潮岬くらいです。

真に本州最南端という意味合いでは、潮岬から徒歩8分ほど歩いた所にある「クレ崎」こそが最南端です。しかし、一般的にはクレ崎も含めた広義の意味合いで潮岬と呼ばれています。周辺も含めて観光地化が進んでいますので、十分に時間を取って訪れることをおすすめ致します。

潮岬観光タワーから臨むクレ崎

ついで旅

潮岬に来たら訪れて欲しいのが「橋杭岩」です。大小40余りの岩柱が約850mに渡って列を成しており、まさに奇岩と呼べる光景を見ることができます。海の侵食により岩の堅い部分だけが残り、あたかも橋の杭だけが残っているように見えることから、この名が付きました。

串本町で最近注目を浴びている名物グルメといえば、やはり「近代マグロ」です。今やマグロの一大ブランドとして名高い近代マグロの養殖場の一つはここ串本町にあります。東京や大阪では入手も困難で高額な近代マグロをより安く、より新鮮に食べることができるお店がたくさんあります。

photo by Miyuki Meinaka

最西端:毘沙ノ鼻

本州最西端の地は山口県の下関市にあります。山口県西部の海沿いにある「毘沙ノ鼻(びしゃのはな)」は、地図上で極端に突出した土地ではないため果て感がなく、あまり注目を集めることができない不遇の岬です。

とはいえ、下関市市街から40分程度でアクセスでき、駐車場も広く、展望台と灯台を模したモニュメントもあり、トイレも自販機も整備されておりと岬自体は充実しています。にも関わらず、訪れる人が少ないため、ここは知る人ぞ知る絶景スポットとして訪れた人達からの評価は高いです。

下関市の2大観光地である唐戸市場角島のちょうど間に位置する岬のため、是非とも素通りすることなく寄り道して頂ければ幸いです。

ついで旅

毘沙ノ鼻の展望台から一つの小島を眺めることができます。蓋井島と言い、神功皇后が立ち寄ったとされる由緒ある島です。この島は別名「エミューの島」と呼ばれており、ダチョウに次いで2番目に大きな鳥であるエミューの牧場が島内に2か所もある変わった島です。岬から南に10分ほどにある渡船場からフェリーで行くことができます。

photo by Benjamint444

また、岬から北に20分のところに、下関市の奥座敷とも呼ばれる「川棚温泉」があります。山口県を代表する名物料理「瓦そば」の発祥の地でもあります。また、ふぐ料理も味わうことができ、食を存分に堪能できる古風な情緒溢れる温泉街です。

おわりに

以上、本州の四端を見てきました。南北の岬は国内でもトップクラスに有名な一方、東西は極端に知名度が落ちるという南北・東西格差が生じています。一方で、マグロ、ウニ、ふぐに代表される海鮮の宝庫という共通点も持ち合わせています。

本州は世界で7番目に大きな島で広いため、どの岬も決して簡単に訪れることができるわけではありませんが、4つの岬全てが非常に個性的かつ魅力的なのでいつか訪れてみてください。

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